本システムでは、ワークステーションのディスプレイ(CRT)上に左眼/右眼用の 画像を表示し、それぞれをCCDカメラ(SONY製38万画素)によって撮影して 頭部搭載型ディスプレイ(HMD)に提示している。この方式の場合、 CRT上の画像とHMDに提示される画像との対応付けを正確に行うことが 重要である。すなわち、オペレータがHMDを通して見る物体の像の空間的位置と 仮想空間内の物体の位置とが一致するようにしなければならない。
これを行うには、CRT上に開くウィンドウの枠とカメラの視野の端の矩形 (HMDの視野の端)とを一致させ、HMDの視野の端とオペレータの 眼で構成される錐体と、グラフィックス生成時に視点と像面の矩形 (ビューポート)で構成される錐体とが一致するようにする。
本システムでは、カメラはCRTの前に置いた三脚に据え付けているだけなので、 CRTに開くウィンドウの位置と大きさをソフトウェア的に調整して、 手軽に較正を行えるようにした。 この操作は、オペレータがHMDを装着し、テストパターンを描いた 左眼・右眼用のウィンドウの隅をジョイスティックで移動させて、 HMDの視野の隅と一致させることにより行われる。