計測用計算機(PC)から仮想環境構成・視聴覚情報生成用計算機へは、 シリアル回線(9600 bps)を用いて運動情報の転送を行っている。 計測される17自由度の情報を全部送る場合、データの更新レートは 毎秒11回程度である。これはオペレータにあまり違和感を感じさせない程度の 速度である(これについては定量的な評価が必要であろう)が、 仮想環境の構成が単純な場合には描画の速度の方がデータ更新レートよりも速く (210四角形ポリゴン + 102 3Dベクトルの描画を左右2画面分 行って28フレーム/秒)、 このデータ転送がシステムのボトルネックとなる。 この部分を高速化する方法として、ワークステーション同士を 接続しているEthernetにPCを直接つなぐことを予定している。
PCからシリアル回線を経由して送られてきたデータは、 一旦ワークステーション上のデータサーバプロセスで受け取られ、 UNIXのプロセス間通信の機能を利用して 描画プロセスなどのクライアントに送られる。これは、 左眼、右眼用画像を別々のマシンで生成する場合や 仮想環境の計算の分散処理などに対応するために、 (PCからデータを受け取ったマシンを含めて)ネットワーク上の 全てのマシンで同じようにデータを利用可能にすることを 目的とするものである。ここでは、2通りの形態を用意した。
クライアントのデータ要求頻度とPCからのデータ更新頻度を比較して、 更新頻度が大きい場合(仮想環境が複雑で描画に時間がかかる場合など)は a)の方がネットワークの負荷が小さく、 逆に更新頻度が小さい場合はb)の方が負荷が小さくなる。