直流分係数 \(A\) | |||
ウィンドウ長 \(N\) | bits | ( ponits) |
窓関数
\(\displaystyle\quad
w[n] = A - (1-A)\cos\frac{2\pi n}{N-1}
\)
その振幅スペクトル
\(\displaystyle\quad
|W(e^{j\omega})| = |A S(\omega) + \frac{1-A}{2}(S(\omega+\alpha) + S(\omega-\alpha))|
\)
where
\(\displaystyle\quad
S(\omega) = \frac{\sin(\omega N/2)}{\sin(\omega/2)},\quad
\alpha = \frac{2\pi}{N-1}
\)
\(A=0.5\) のときhann窓,\(A=0.54\) のときhamming窓,\(A=1\) のとき矩形窓になります.
左側のグラフは窓関数全体のスペクトル,右側のグラフはそのメインローブ近傍 (\(|\omega|\le 7\alpha\)) の拡大図です.
窓関数について学習したとき,『最初と最後をゼロにすることにより,窓関数の適用(信号の切り出し)で生じる不連続性の影響を抑える』と習った人も多いと思います.hann窓はこの考え方通りですが,hamming窓は非ゼロの値から始まっています.なぜhamming窓の最初と最後はゼロではないのか,また,hamming窓における直流分の係数である0.54という値はどこから来ているのか,疑問に思う人もいるでしょう.
hamming窓の係数付近で\(A\)の値を動かしてみると,hamming窓の係数は,最もメインローブに近いサイドローブの高さと,その近隣のサイドローブの高さがバランスする値,すなわち最も大きなサイドローブの高さを極小化する値になっていることがわかります.この考え方に基づくと,hamming窓の理想的な係数は窓の長さによって微妙に異なることが読み取れます.
更新履歴
作成:2020年6月21日